天才バンドに観るロックンロールの一つの正解

 

 

それは、バンド自身が心から音楽を楽しんでいること。

 

 

 

家のテレビでyoutubeを観ていたところ、星野源の大ファンでもある母が食いついて以来、天才バンドのライブには親子二人で行くようになった。

 

あまりにも有名なのがこの曲

 


天才バンド / 君が誰かの彼女になりくさっても

 

ずっとずっと君が好き

 誰かの彼女になりくさっても

 ずっとずっと君が好き

 今頃誰かと暮らしてても

 

 もう君の髪にはふれられないよ

 夜中の電話もできないよ

 今頃どうしてるのかな

 やさしい人に出逢えたかな

 君には君の日々があり

 僕には僕の日々がある

 君には君の歌があり

 僕には僕の歌がある

 

 

素直な歌詞だ。素直すぎる。

そして誰かを好きになった人なら、誰もが思ったはずの

 

ずっとずっと君が好き

誰かの彼女に、"なりくさっても"

 

 

 

こんなに素直で、可愛らしくって、人間くさくて、ワンダフルな歌なのだから、

あんなに素直で、可愛らしくって、人間くさくて、ワンダフルな奇妙礼太郎によく似合う。

 

 

 

天才バンド

奇妙礼太郎(vocal/guitar)

・Sundayカミデ(chorus/piano)

・テシマコージ(drums)

 

 アニメーションズ奇妙礼太郎トラベルスイング楽団に参加しており、「こんだけ世の中にいっぱい曲があるのになんで俺が作らなアカンねん」と思っていた奇妙礼太郎

 

しゃかりきコロンブスやワンダフルボーイズに参加しており、小学5年生のときには金髪でタバコを吸いながら原付に乗っていたなど数え切れないほどの逸話を持つSundayカミデ

 

パワフルなドラミングと、このバンドがバンドであるうえでとても重要な役割を果たしているテシマコージ

 

この三人がまさに天才的なタイミングと何かの巡り合わせで結成されたのが天才バンド

 

多くの曲の作詞作曲はSundayカミデが担当している。

 

 

 

このバンド、とてもバランスがいい。

それは音楽的なこともそうだけれど、人間的な相性がとても良い。

 

 

ゆえにライブでは楽曲の最中にいきなりコントのようなものが始まったりと、お客さんを笑わせる悪ノリが満載。

 

先日、恵比寿リキッドルームで行われた天才バンド東名阪ツアー、ファイナル公演では

一曲を終えた奇妙礼太郎が「ありがとう」と手をかがげていると何を思ったか

「みんな!俺の手を観て!みんなで俺の手を観て!」

しばらくなんとも言えない空気が流れ、

「心なしかパワーが集まってきた気がする!腕が疲れてきただけかもしれないけど(笑)」と観客の笑いを誘うと、

Sundayカミデが「じゃあ奇妙くんその手でやばいギターソロいっちゃって!」と言いギターソロへ。

 

そんな具合で天才バンドのライブは進む。

 

即興ソングを作ってみんなで歌ったり、Sundayカミデからテシマコージへのダメ出しが始まったりともうめちゃくちゃ。

 

しかし、終始会場にいる、バンドメンバーもお客さんも、そしてスタッフも笑顔のあれこそが、ロックンロールの一つの正解だと私は思う。

 

 

 

しかし、ただ悪ふざけや悪ノリでお客さんを笑わすだけじゃないのが天才バンド。

 

 

天才バンドのライブはテシマコージのドラムソロから始まる。

そこで観客をドラミングとともに一気にぶち上げ、Sundayカミデと奇妙礼太郎がステージにでてくる。

 

「ぶっこわれるぞー!!」

 

という奇妙礼太郎の掛け声とともにライブスタート。

 

 

 

テシマコージのドラムは天才バンドのライブにおいて非常に大きな役割を果たしていると、私は思う。

 

(難しい話になってしまうけど)

メロディとリズムの違いとして、

メロディは、知っていれば知っているほど気持ちのいいものだけれど、

リズムは、人間そのものに元々組み込まれているものだから

初めて聴くリズムでも、それが心地よいならその音楽とリスナーの気持ち良さの関係は成立してしまうと思う。

 

 

その理論からいくと天才バンドというのは、

 

テシマコージによるパワフルで抑揚のあるドラミングによってまず観客の心と身体を掴み、

そこからSundayカミデによって作られた、他にはないけれど何故か懐かしく親しみやすい、とにかく完成度の高いのメロディを、

奇妙礼太郎という日本のロックシーンを代表するシンガーが歌うことによって

 

天才バンドを天才たらしめている。

 

 

 

彼らの魅力はライブにある。

 

間違いない刹那性を秘めたロックンロールバンドであり、曲だけが一人歩きするようなバンドとして捉えられていたら勿体ないのだ。

 

最後に天才バンドの楽曲から"ロッケンロールベイベー"のライブ映像を貼っておくので、読者の皆さんには是非観ていただきたい。

 

そして彼らのライブに足を運んで、笑って、泣いて、歌って、(酔って、)大満足して帰ってほしい。

 

 


2014.6.21_2 天才バンド@ROOMS

 

 

 

 ロッケンロールベイベー

 

青春を過ごしたのさ

 

君とただ過ごしたのさ

悲しいくらいときは過ぎた

君は綺麗なママになってた

 

ロッケンロッキン

ロッケンロールベイベ

今日もロックを聴くのさ

君が嫌いだった

ロッケンロールミュージック

ロッケンロッキン

ロッケンロールベイベ

 

今日もロックを弾くのさ

27歳のロッケンロールミュージック