tetoが"2017年注目のバンド"に終わらない理由
tetoと出会ったのは2016年の6月。高校三年生。受験期。自分で決めた「受験前最後のライブ」も見終えて、勉強に超集中する予定だった。
でもやっぱり日々勉強のストレスとか、それまで感じていたはずのライブハウスのあの感じとか、そういうのが足りなかった。
そんな時期に、もともとあるイベントを通して知り合い?になった現tetoメンバー、ギター兼ダンサーの山崎さんから「新しいバンドに入ったから良かったら聴いてみて!」と連絡。
それがteto。
今でも忘れない、塾から家まで帰る東急大井町線のなかでtetoを聴いた。
まさにボーカルが歪んでた。ギターを歪ませるのと一緒で。
それから、高円寺でライブがあると聴いて急いで駆けつけた。「受験前最後のライブ」の約束はすっかり忘れて。
一言で表すならそれは爆発だった。
上に載せた画像の中で書いた通りtetoは
「ロックンロールでロックンロールと戦い、
それはさながら何かに対しての怒りであり、
それはまた快楽であって、犠牲だった。
ライブ中ボーカルの声は、素人でもわかるくらい喉を痛めつけているし、ギターのピックガートに血が塗れていることだってあった。
最近の邦楽ロックと、それを殺すtetoと - BASEMENT-TIMES
初めてN'夙川ボーイズのライブを観たときを思い出した。
"死神DANCE"という歌のなかでマーヤLOVEは何度もステージに転げ落ちた。
それを観ていると、うまくは言えないのだけれど、自分のなかのモヤモヤをマーヤさんが代わりになって昇華させているようで、涙が止まらなかったことを今でも強く覚えてる。
tetoは間違いなく、爆音で聴かれることを前提とした音楽、で
だからこそライブ中にステージを観ずに真下を向いて頭を振る私のようなオーディエンスがちらほらいるのだと思う。
あの瞬間がこの上なく気持ちがいい。
合法で1番トベるのが音楽ならそれはtetoなんだ。
そのステージングや音楽への向き合い方は、毒を吐くイメージが強い石左氏や忘れらんねえよの柴田さんも絶賛。
はたしてtetoは破滅の音楽なのだろうか。
tetoはしばしば「銀杏BOYZ、andymoriの再来!」という文句と共に紹介されるが
これは彼らが音楽的に、銀杏BOYZやandymoriに"似ている"というわけではない。
たしかにこの3バンドがルーツとしている音楽は、おそらく似ていてゆえにリスナー側にも同じような印象を持たせる。
しかし、もっと"似ている"ところがある
それは究極的な普遍性だ。
この3組に共通するのは究極的、恐ろしいまでの普遍性。
人間であるなら誰もが持ち得るモヤモヤやイライラ。
この2つを峯田和伸と小山田壮平、そしてtetoのボーカル小池貞利は純度100%のレベルで音楽にしている。
だからこそ、とても犠牲的で刹那的で、誰もが持ち得るという意味で普遍的なのだ。
tetoは"2017年注目のバンド"に終わらない。
これから間違いなくライブキャパシティを増やしていき、銀杏BOYZともandymoriとも違う道、違う形で日本のロックシーンの最も輝く場所にたどり着くだろう。
今この記事を読んでいる人は「ラッキー!」と思ってtetoのライブに足を運んで欲しい。
そしてtetoと自分だけの、1対1の音楽に、喧嘩や対話や慰めとも言える音楽的衝動を感じて欲しい。
音源は以下の通り↓
Pain Pain Pain - teto - YouTube
teto by User 709061351 | Free Listening on SoundCloud